鉄のピラミッド/刑事司法の機能不全

タテマエ

現 実

図に示されている通り、接点の多い政治家と官僚は癒着しがちであり、接点の少ない裁判所は、独立している。 刑事司法において、裁判所を外の世界に繋ぐのは、検察だ。特別な事件を除けば、捜査をするのは、警察だ。 そして、日本の刑事司法には、何十年も前から指摘され続けた問題が山積みとなって放置されている。

裁判所(司法機関)の問題

国内外の専門家は、多くの問題点を突きつけているにも関わらず、日本国内で、その問題が大きく扱われることはない。

捜査機関(警察・検察)の問題

公安委員会を盾にすることで、外部(民主的な政治)を遮断し、官僚が地方自治を牛耳って運営されるピラミッド型の巨大組織が日本の警察組織である。軍隊と同じ厳格な階級制度で内部統制が行われ、ほとんどの警察官が生涯を一警察官として終える覚悟で働いている。それらを統制する権限は、ピラミッドの頂点にいる警察庁長官に集約されている。
鉄のピラミッド

メディア仕掛けの社会秩序

逮捕するぞ

「逮捕だ!逮捕」と元気な警察官のキャラクターが赤塚不二夫のマンガにある。 そして、現実社会でも、逮捕の必要性に首を傾げたくなるような些細な事案で、警察官は、逮捕権を乱発している。

マスメディアは、警察から逮捕者の情報提供を受け、これをニュースとして扱う。そうして、実名で報道された逮捕者は、報道による事実上の制裁を受けることになる。

言わば『見せしめ検挙』による事実上の制裁が、法による制裁よりも、現実的な制裁として機能しているのである。

問題なのは、犯罪種別により補足率格差が大きく、警察のさじ加減によって、報道される事件が決まってしまっていることだ。

その結果、些細な事案に逮捕者(見せしめ検挙)を量産する一方で、自殺や事故を偽装した殺人ほか、捜査が困難な重大犯罪の見逃しが横行している。

テレビ局による警察広報

テレビ

 

テレビ局による警察広報

ニュース以外にも、各テレビ局は「警察24時」といったドキュメンタリー番組を大量に制作している。

警察が、記者クラブ以外の取材を拒絶し、刑訴法47条を盾に「捜査上の理由」で情報非開示を濫発する一方、警察に都合のよい事件や逮捕劇は、ドキュメントとして、盛んに報道させているのである。一覧にすると、おびただしいほどだ。

こうした警察とマスメディアのもたれあいは、相互に責任転嫁をし合う依存関係にある。それが、お互いにとって都合のよい環境となっている。

その結果、警察に都合のよい事件ばかりがニュースとなり、警察官が活躍するドキュメントが数多く放送されることによって、社会秩序が形作られているといってよいだろう。現実はさておき、人々の意識上の社会秩序は、メディア仕掛けによって大きく左右されている。

以上のとおり、警察組織には、誰もが認めざるを得ない根本的な問題が存在する。 しかしながら、マスメディアも政治家も、警察の問題をタブー視している。 誰かが警察の問題を追及し、抜本的な改革がなされない限り、司法制度が法治国家としてまともに機能することはないだろう。

警察組織の根本的な問題

桜タブーによって報道されることはないが、警察組織には、日本が法治国家どころか、犯罪放置国家と言われても仕方ないほど、根本的な問題がある。

多発する警察官の拳銃自殺を通して、その問題の概要をまとめてあるので、ぜひ参照してほしい。

警察が肥大化した内容は、次の画像リンク先にまとめました。